クラブ アトラスのシェフによる料理セミナー

2022年6月20日

●日時
2022年6月20日(月)

●動画撮影会場
東京ガス業務用テストキッチン「厨BO!YOKOHAMA」

●講師
岩田 充弘氏(「レストラン メイ」オーナーシェフ)
「新解釈!パリッと焼いたフロマージュ・ド・テット」
「ホワイトアスパラガスとアオリイカの温かい前菜~空豆のソースをかけて~」

●特別後援
東京ガス株式会社

「フレンチレストラン メイ」の岩田 充弘シェフを講師に迎え、料理実演セミナーを開催しました。他のシェフからのコメントや、フランス修業、レストラン運営について等、興味深い話をいろいろ伺いました。まずはお料理について紹介します。

一皿目は「新解釈!パリっと焼いたフロマージュ・ド・テット」です。
パリで修業した店舗「ル・グラン・ヴェフール(Le Grand Vefour)」で、ギィ・マルタンシェフ(Guy Martin)に豚の頭部を使った温製前菜料理を提案し、レストランのメニューに採用された岩田シェフ。当時はレストランのスタイルに合わせモダンな料理に仕上げて提供していたそう。そんな思い出の食材と、フランス伝統料理の「フロマージュ・ド・テット(Fromage de tête)」に着想を得て生まれたのが今回の一品です。通常は冷製で供する「フロマージュ・ド・テット」を、たっぷりのゼラチン質で冷え固まったテリーヌの両面をしっかり焼き、きゅうりや茗荷、ハーブサラダを上にのせ、酸味のあるラビゴットソースを添えます。元々は、一口サイズに切り、冷凍したフロマージュ・ド・テットをクロケット(コロッケ)にしていたが、揚げずにさらに美味しさを引き立てたく、編み出した料理とのこと。試食された参加者やクラブ アトラスのシェフからも「初めて見た調理法で美味しい」と大変好評でした。

「ストラスヴァリウス」小山英勝シェフから試食の感想をいただきました

二皿目は「ホワイトアスパラガスとアオリイカの温かい前菜~空豆のソースをかけて~」です。
岩田シェフの「レストラン メイ」開店8周年記念コースメニューの中から一品をご披露いただきました。いかに「ホワイトアスパラガス」を美味しく食べていただくかを考え、茹で方や素材の組み合わせを工夫したとのこと。緑鮮やかな空豆とグリンピースのクーリ、少量の醤油で香ばしく炙ったイカゲソとイカそうめん、イカ墨を使った美しい葉型のチュイルが添えられ、春の食材が織りなす絶妙な味のバランスで、見た目も美しいホワイトアスパラガスの一皿でした。岩田シェフは、野菜を茹でる時の塩分濃度を厳密にコントロールされており、根菜、豆類、葉物や緑野菜等、素材によって調整しているそう。色止めの氷水にも塩を効かせる徹底ぶりで、今回もホワイトアスパラガス、空豆、グリーンピースもそれぞれ塩分濃度を変えての調理でした。参加者からも勉強になったとの声が寄せられました。

「ラフィナージュ」高良康之シェフが参加者の質問に答えました
「ルメルシマン・オカモト」岡本英樹シェフが盛り付けをお手伝い

セミナー後半は、岩田シェフにお店の話をうかがいました。
「クラシック」と「モダン」
岩田シェフは、日本で経験を積んだ後、30才でフランスへ。前半は星付きの「モダン」レストランで最先端な料理を学び、後半は食べ歩いた中で、一番火入れが完璧で美味しかったというパリの人気ビストロを修行先にセレクト。ジビエやパテ・アンクルートなど伝統料理など「クラシック」な料理をここで学びます。この経験が今のレストランのコンセプト「クラシック」と「モダン」の融合につながっているのだそうです。

左から順に『レストランメイ』飯塚弘志朗さん、近藤祥平さん、『ペタル ドゥ サクラ』難波秀行シェフ、『シェ・フルール横濱』飯笹光男シェフ、『レストランメイ』岩田充弘シェフ、『ルメルシマン・オカモト』岡本英樹シェフ、『ストラスヴァリウス』小山英勝シェフ、『ラフィナージュ』高良康之シェフ