第8回 クラブ アトラスのシェフによる料理講習会

2018年2月5日

日程
2018年2月5日(月)

会場
東京ガス業務用ショールーム「厨BO!SHIODOME」

特別協力
クラブ アトラス

特別後援
東京ガス株式会社

講師
小山 英勝 氏(『ストラスヴァリウス』オーナーシェフ)
生井 祐介氏(『オード』オーナーシェフ)

講習会メニュー
1. 小山 英勝シェフ
 ・舌平目のスフレ クレオパトラ風
 ・舌平目のポーピエット ペルノ酒風味の軽いブール・ブランで

2. 生井 祐介シェフ
 ・ドラ○ンボール オマールを一口で

アミティエ・グルマンド主催、クラブ・アトラスのシェフによる料理講習会が2018年2月5日(月)、厨BO!SHIODOMEフランス料理文化センター(FFCC)にて開催されました。
8回目を迎える今回の講師を務めて下さったのは、横浜でオーナーシェフとして15年間にわたり活躍されている小山 英勝氏と、昨年独立開業され、そのお料理が話題を呼んでいる生井 祐介氏のお二人。当日はクラブ・アトラス会長 高良シェフをはじめ、会員メンバーのシェフの皆様もサポートに駆け付けて下さり、デモンストレーションの途中に質問を挟むなど、講習会を盛り上げて下さいました。

今回のテーマは「過去(伝統)、現在、そして未来へ」。

最初に調理デモンストレーションを披露下さったのは小山シェフ。
「舌平目のスフレ クレオパトラ風」と「舌平目のポーピエット ペルノ酒風味の軽いブール・ブランで」。どちらもクラシックなフランス料理を代表するメニュー。クレオパトラ風は頭以外の中骨は全て取り除かれてサービスされますが、どのように中骨を取り除くのかも丁寧に実演。また白ワインソース、サバイヨンソース、白身魚と帆立貝のムース、ブール・ブランなど、多岐に渡る工程も、全て詳しく説明しながら仕上げて下さいました。あえて手間暇をかけ、愛情を込める事で必ず味は変わる、とのシェフの信念が伝わってくるようでした。
熱々にグラチネした舌平目のクレオパトラ風と、舌平目のポーピエットの二皿を召し上がられた参加者からは、いつか食べたいと思っていた小山シェフのクレオパトラ風が食べられて嬉しかった、特にソースが美味しかったなど、感想が寄せられました。

「舌平目のスフレ クレオパトラ風」(小山シェフ)
「舌平目のポーピエット ペルノ酒風味の軽いブール・ブランで」(小山シェフ)

引き続き生井シェフに「ドラ○ンボール オマールエビを一口で」を披露していただきました。
ニンニクで香り付けしたカカオバターでオマールのジュを作り、二層に分かれたジュの液体部分をムースに、オイル部分はカカオバターが30℃から融け始める性質を利用し、ムースのコーティングに利用するという一品。口の中に入れるとパリっと外側のオマール風味のカカオバターが崩れ、中から凝縮されたオマールのムースがとろりと出てくる驚きの食感。お店のアミューズでサービスされているのと同様に、ブラッドオレンジのコアントローリキュールを添えて試食をお出ししました。絶妙な組み合わせと、料理の発想に参加者からも驚きの声が上がりました。

液体と油分に2層になったオマールのジュ
「ド○ゴンボール オマールエビを一口で」ブラッドオレンジコアントローを添えて(生井シェフ)

斬新に思えるアミューズですが、作り方を紐解くと伝統的な甲殻類のジュの取り方など、フランス料理のベースを根底とした一品であることがよく分かります。

講習会後半は、繁盛店を切り盛りされるお二人に店づくりについてのお話しを伺いました。
生井シェフはお客様との対話を重要視し、また、スタッフオペレーションを考慮してカウンター席を多く設えたそうです。昼夜ともおまかせコース一種のみ、夜は12皿程度を出すスタイルです。
小山シェフは自分の作りたい料理を、自らの目と手のゆき届く中で提供したいとの考えから、15周年目を機に2店舗あったレストランを1店舗にし、全面改装して自分の理想のレストランをオープン。横浜の地で、落ち着ついてフランス料理を楽しんでいただけるお店でありたい、との思いを教えていただきました。

発想の源は?との問いに、生井シェフは「エスコフィエの本を紐解くと、読んでもわからない部分があるが、そこから発想が膨らみます」と答えていただきました。大事にしていることは?との質問に、小山シェフは「自分のカラーを出すこと、ぶれないこと、自分の自信をもてる料理を心込めて作ること。また、一生懸命頑張っていると誰かが見てくれていて、支えて下さるものだと実感しています。」と教えていただきました。