第11回 クラブアトラスのシェフによる料理セミナー@横浜

2019年2月25日

◆日時
2019年2月25日(月)


◆会場
東京ガス業務用テストキッチン「厨BO!YOKOHAMA」

◆講師、メニュー
飯笹 光男 氏(『シェ・フルール横濱』):「Sawara」
中田 雄介 氏(『Les Chanterelle シャントレル』):「鰆のマリネとニンジンのソース」

11回目の講習会は、東京ガス業務用テストキッチン「厨BO!YOKOHAMA」にて開催されました。講師は、横浜で長年活躍されている『シェ・フルール横濱』の飯笹 光男氏と、クラブ・アトラス講習会初登場の『Les Chanterelles シャントレル』(渋谷区)の中田 雄介氏。

今回のテーマは、両シェフともにお気に入りの「鰆」。実際にお二人がお店で提供している料理です。

飯笹シェフ
中田シェフ

中田シェフは「鰆のマリネとニンジンのソース」。福井県の鰆を使います。三枚におろし、塩をふり、余分な水分をふきとる作業を2-3日繰り返します。5mm厚に切り、皮目をバーナーであぶる火入れです。ソースはニンジンをベースにミカン果汁と生姜を加えたものと、セリの根を揚げ、オイルとともにミキサーにかけたもの。葉ニンジンの時期ならセリの代わりに使うなど、旬の食材を用いている、と中田シェフ。焦がすように焼いた赤キャベツ、水、オイル、塩でグラッセしたニンジンとともに、あぶった鰆と一緒に頂く一品です。

中田シェフ
鰆のマリネとニンジンのソース

飯笹シェフの「SAWARA」は鰆と和の食材を用いたアプローチが特徴的。新潟県・佐渡の鰆を軽く焼き色を付け、スチームコンベクションオーブンのコンビモードで身の厚さに応じて時間を調節しながらしっとり火入れします。蕗味噌を鰆の皮目に塗り香ばしく色付けます。旬のフキノトウと仙台味噌、太白胡麻油等で作り、えぐみを出さず、旨み・苦みを引き出すのがポイント。ブランシールした鱈の白子とカブ、柚子汁を使った白子ソースはカプチーノ仕立てに。菜の花のソテー、カブと菜の花ピューレとともに、地元横浜産野菜をたっぷり使った一品です。

飯笹シェフ
SAWARA

両シェフのお店についてのインタビューでは、多くのスタッフを束ねる飯笹シェフは「昔、『自分』を貫き通した時期があり、その結果、自分1人が必死に踊っていても人はついてこないことが分かりました。今は、スタッフそれぞれの個性、考えを尊重し、信頼関係を持ったチーム体制で仕事をしています」と話しました。
少人数チームで働く中田シェフは「限られたスタッフと自分でつくりあげる料理は、時が経つとともに変化してきました。良い意味でサンプリシテ(簡素さ)を表現出来るようになり、その日に一番良い食材は何かを考え、応用がきくようになってきたと思います」と答えました。
日々の営業は「オープンして7年たちますが、正直、毎日ピリピリと仕事をしています。もっと上のレベルに行きたいと思っています。そんな中で、お客さまにお越しいただき、美味しい!と喜んでいただけること。それが自分の人生で一番嬉しいです(中田シェフ)」、「キッチンからお客さまの喜ぶ顔を見た時、この仕事に出会えてほんとうによかった、と感じ、毎日が楽しいです(飯笹シェフ)」。それぞれの思いを正直にお話していただきました。

クラブアトラスメンバー