クラブアトラスのシェフによるオンライン料理セミナー

2021年7月26日

●日時
2021年7月26日(月)

●動画撮影会場
東京ガス業務用テストキッチン「厨BO!YOKOHAMA」

●講師
川島 孝氏(「ラ・ロシェル」総料理長)
「ロゼール産仔羊のコンフィとパスティア」

●特別後援
東京ガス株式会社

2月に続き、好評の「クラブ アトラスのシェフによるオンライン料理セミナー」を講師にフレンチの名店「ラ・ロシェル」総料理長の川島 孝シェフを迎え、開催しました。
前半の調理デモでは「ロゼール産仔羊のコンフィとパスティア」を披露していただきました。これは川島シェフがフランス時代に最も影響を受けたという、レストラン「トラマ」(pyumirol /ヌーヴェル=アキテーヌ地方) での経験が色濃く反映されており、乳飲み仔羊やアラブスパイスの使い方、郷土食材を用いた料理法を学び、川島シェフ流に表現された一皿です。

▲完成したお料理「ロゼール産仔羊のコンフィとパスティア」
手前左よりパスティア、焼きカブ、クスクススムールとエスプーマソース(9種類のスパイス入り)の上に盛り付けられた低温調理された仔羊のロース肉、仔羊腿肉のコンフィとサラダ、スベリヒユなどのハーブ、バジルオイルとソース・ダニョ

▲フォンダニョー、トマト、スパイスを加え、約2時間かけてゆっくり火入れされた仔羊の腿肉のコンフィ
▲トウモロコシを加えたクスクススムールの上にエスプーマソースを絞り出し、バジルソースとソースをかけて完成

完成した料理は、同じ「トラマ」で修業した経験があり、仔羊に造詣が深い「クラブ アトラス」メンバーの岡本英樹シェフ(『ルメルシマン・オカモト』)に試食、コメントをいただきました。

▲(左より)プロならではの試食コメントを視聴者に伝える岡本シェフ。
川島シェフのデモンストレーション中は、飯笹シェフによるナビゲーションで調理や食材仕入れ方法などを質問しながら進められました

入手できれば、乳飲み仔羊で行うはずだったのですが、時期的に難しく、今回は仔羊で行いました。それでも驚くほどの柔らかさです。川島シェフ曰く、乳飲み仔羊だともっと柔らかいのだそう。

仔羊のロース肉は香草と共に真空マリネ後、1時間低温で火入れし、その後、表面にマスタードを塗り、パセリを混ぜた緑のパン粉を纏わせて、最後の火入をして仕上げます。切り分けられたロース肉は、セルクルで丸く抜いたクスクススムール、その上にエスプーマで絞り出されたトマトやマスカルポーネ、9種類のスパイスなどの入ったソースの上に盛り付けられました。エスプーマソースはエスブレットピーマンが想像よりもピリリと効き、絶妙なアクセントになっています。

クスクスやソースにも用いられていたトウモロコシは夏の季節感とお料理に甘みを加えていました。

さらに、川島シェフ自ら前日に農園で採集して持ち込んで下さったハーブやサラダ。一日経ってもパリっとして新鮮。青々とした香草やサラダがさらに色と香りでお皿を引き立てます。

▲ニイクラファーム(西東京市(旧田無市)で代々続く畑でハーブを中心に年間150~200種の野菜を栽培し出荷している)のもの。
▲エスプーマソースに用いられた特製スパイスに入っている9種類のスパイスを始めとする食材
セミナー後アンケートのご協力いただいた方には本番で用いたスパスミックスのサンプルがプレゼントされた

セミナー後半のお店作りの話では、坂井宏行オーナーシェフのもと、複数の店舗を持つ「ラ・ロシェル」総料理長の立場として実行していることや人材育成に対する思いを伺いました。さらに、フランス研修時代のレストランや各地方での写真を見ながら、レストラン経験、食文化についてもお話いただきました。

そして「クラブ アトラス」メンバーシェフより、お店の近況や、同じ業界で働く参加者の皆さまへのメッセージを発信していただきました。

▲左から順に『ペタル ドゥ サクラ』難波秀行シェフ、『シェ・フルール横濱』飯笹光男シェフ、『ルメルシマン・オカモト』岡本英樹シェフ、『シェ・シミズ』清水郁夫シェフ、『ラ・ロシェル』川島孝シェフと調理アシスタントシェフの飯野和哉さん(左)と千葉涼太さん(右)、『ルヴェソンヴェール 東京』伊藤文彰シェフ、『ストラスヴァリウス』小山英勝シェフ