クラブアトラスのシェフによる料理セミナー

2023年5月22日

●日時
2023年5月22日(月)

●会場
東京ガス業務用テストキッチン「厨BO!YOKOHAMA」

●講師
クリストフ・ポコ氏(「LUGDUNUM Bouchon Lyonnais」オーナーシェフ)
「Cervelas lyonnais pistaché, grillé, taboulé de boulgour
  グリルしたピスタチオ入り自家製ソーセージと爽やかな麦のタブレ」
「Traditionnelle tarte aux pralines rose & son œuf à la neige
  リヨン名物のタルトプラリヌとウフアラネージュ」

●特別後援
東京ガス株式会社

神楽坂「LUGDUNUM Bouchon Lyonnais」オーナーシェフ クリストフ・ポコシェフを講師に迎え、コロナが明けて最初のセミナー。
なかなか見る事の出来ないプラリネの製造工程やフランス本場の味が生み出される工程を、アトラスシェフによる解説やコメントと共にお伝えしました。

直径3㎝程のピスタチオ入り自家製ソーセージ

1品目は、シャルキュトリー的仕事も組み込まれた『グリルしたピスタチオ入り自家製ソーセージと爽やかな麦のタブレ』。
このお料理はポコシェフのお店でも新メニューとして登場するとのことで、ガラス皿への盛り付けも鮮やかな、夏らしい一品でした。

レモンとミントも加わり、夏らしい爽やかなタブレ

まずクスクスよりも少し粒が大きい「ブルグール(褐色のセモリナ小麦を一度蒸したあとで、挽き割りにしたもの)」をフランス人が大好きな「タブレ」にしていくのですが、味の付け方がやはりフランス人シェフ!レモン汁で酸味をばっちりつけてから、すりおろしたレモンの皮と刻んだミントで爽やかな香りをプラスしていきます。
この風味のバランスがとても心地よく、フランスらしさを感じました。そしてソーセージをカットしたときに味が均一になるようにとピスタチオを通常よりも細かく刻んで加えたリヨン名物の「セルヴラ リヨネーズ」。縦にカットしてからグリル版でしっかり焼き上げます。
シェフによるとグリルしたときの香ばしい香りがこの料理のポイントということでした。

二品目は、こちらもリヨン名物二種類のデザートの盛り合わせ『タルトプラリヌとウフアラネージュ』。ポコシェフのお店の定番の人気デザートです。
今回は、特別になかなかお目にかかれない「自家製プラリヌ・ローズ」の製造工程を実演していただきました。
キッチンエイドに専用のアタッチメントを取り付けての作業。何段階にも分けてシロップを加えながら、アタッチメントを回転させて「プラリヌ・ローズ」を仕上げていきます。
そして舟形タルトに展開していきました。
もうひとつの「ウフアラネージュ」は、普通はメレンゲを茹でて火を入れるところを電子レンジでふわっと、それも僅かな時間で火をいれてしまうテクニックを教えていただきました。

コーティング用に準備されたシロップ。何度にも分けてアーモンドにコーティングしていきます。温度調整が肝。
キッチンエイド®に上記のアタッチメントを(コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド協賛)セットするとプラリネ製造機に変身
サービスする当日に毎日焼かれるサブレ生地
贅沢にたっぷりのプラリネが乗ったポコシェフのタルトプラリネ
アトラスシェフを代表して今回の食レポは渡辺雄一郎シェフに。
さすがこれぞ本場の味!とその味付けに感嘆の声が上がりました。

とてもリヨンらしさが感じられ、フランスにいるかのような感覚になるポコシェフのお店の秘密を伺いました。
床のタイルや調度品、絵、装飾品などシェフ自身が半年以上をかけてフランス中をまわり集めたのだそう。
なぜリヨン料理を日本でやろうと思ったのか?の質問へは、「店をオープンした16年前、既に東京には沢山のレストランやビストロがあり、その中で自分の場所を作るにはどんなお店が良いかを考えました。その時、5歳まで生まれ育った自分のルーツであるリヨンとその料理がやりたいと思い決めました。
都心の高層ビルの上にある店は自分ではイメージができなくて、リヨンの石畳の通りに面した店のイメージにあった場所を探し神楽坂に決めました。
食べにきてくれたお客さんから、フランスにいるような気分になりますと言われた時は本当に嬉しいです。」とシェフ。
また自身のお店を持ってから一番印象に残っていることは?の質問には、「お店をオープンした時の事はやはり印象深いです。当初は何でも楽しくて嬉しいものですが、そのモチベーションを保ち、15年続けるのが大切ですね。」との言葉が印象的でした。

ルグドゥノム・ブション・リヨネ(LUGDUNUM Bouchon Lyonnais)の店内

左より難波秀行シェフ(ペタル ドゥ サクラ)、岡本英樹シェフ(ルメルシマン オカモト)、渡辺雄一郎シェフ(ナベノ-イズム)、クリストフ・ポコシェフ(講師)、小山英勝シェフ(ストラスヴァリウス)、伊藤文彰シェフ(ルヴェ ソン ヴェール)、飯塚隆太シェフ(レストラン リューズ)